
みんなともだち
- 小林 肇
- 1982年
- ASOBIBA 代表
- 株式会社ASOBIBA
誰かと仲良くなれる場所を作りたいと思い、ASOBIBAを立ち上げました。
- ASOBIBAはどういった経緯で立ち上げられたのですか?
もともと、サバゲーは月に1回やる程度でした。
ある時仲間を誘ってサバイバルゲームをした帰りに、一緒にいた友人たちと来月は自分たちで貸し切りしてサバゲーをしようと話したのですが、予約をしようとしたら土日が全部埋まっていて2か月待ちでした。そんな都内で2か月待ちもするコンテンツなんぞ自分で作ってしまえというのが最初の動機です。
加えてこんなにも面白いのに距離と時間と費用という3つのハードルが初めての人が体験しにくい状況を生んでいるのではと仮説を立て、「それなら都心で気軽にサバイバルゲームを簡単に体験出来る場所を作ろう」と考えたのが始まりでした。
- 特殊なジャンルですので、まず物件を探すのが大変だと思うんですが。
そうですね。事業内容を説明しても「サバゲー何それ?」「危ないから貸せない」と言われてしまう。
そこで最初は事業を説明する何十ページにもわたる資料を作って不動産屋さんを周りました。
ご縁にも恵まれ、なんとか最初の店舗を東京駅徒歩3分という驚異的な立地でやらせていただけることになりました。変な奴らだなと面白がってくれ、加えて少しでも家賃収入があるならと快く了承してくれた大家さんと、ほんの数か月でも土地をフィールドとして活用したい僕たちの、利害が一致したのです。
- ASOBIBAは最初から事業化しようと決めていたのですか?
正直始める前は最初の2か月期間限定の一店だけのつもりでした。
創立メンバーは6人だったのですが、当初はそれぞれ別の仕事をしながら、ダブルワークという形でやっていました。皆仕事が終わると夜中にフィールドを作る毎日です。
寝る時間を削っての作業はなかなか大変ではありましたが、好きなことをしているので苦にはなりませんでした。
オープンして、お客様に「ありがとう」と言ってもらえた時は、本当に心の底から嬉しかったですね。
でも、オープンしたその日に6人で話し合い、都心でのフィールドを継続して運営することを決めたのです。
僕たちは、今でも本当に多くの人に支えて頂いています。
最初は、お金が無くてクラウドファンディングで呼びかけてみたら期待以上に多くの人が応援してくれた。
オープン日まで時間が無く工事が間に合わない時、20人ものお客様が工事を手伝いに来てくれた。
誰もやったことが無かったけど、自分たちが「やった方が良い」と思うことに挑戦してみたら沢山の人が助けてくれて、目標を達成することができました。
支えてくださる皆さんには本当に感謝しています。
その皆さんの応援に、一つ店舗を創っただけでは恩返しをしきれないと思ったのです。
- お話を聞いていると新規事業の立ち上げがお好きなのかなと感じるのですが。
新規事業好きです。近い意味で新しいコミュニティが生まれるので新店を作るのも大好きです。
でも新しいことをすることが好きなわけではなく、どちらかというと私はそのお店や仕組みやサービスが何かに必要だったりあったら面白いからやっているだけだと考えています。
極論ですが、他の人がやってくれていたならそれでも良かったと思っています。
私が一番熱量を持って行動出来ると思うので譲れない事業やコンセプトのお店ももちろんありますが、現状にストレスを感じるものは全て何かしらの改善や創造が出来ると考えていますので、その考え方が新規事業に向きがちなのだと思います。
"決めて、それに覚悟を持ってやること”だと思っています。
- いつごろから独立されようと思っていましたか?
大学生の時、就職活動やインターンなどを通じて自分の将来について考えた際に仕事と自分についてどうしようかとさんざん悩んだのですが、その時に会社員として一生を過ごすより、自分で何かを生み出せる職人になりたいなと思ったのです。その後モノ作りの職種を様々に考えたのですが結局なぜか作るならモノより仕事かなと行き着き、どんな仕事が楽しいだろうかなと考えたのが最初の独立のきっかけです。
- どんな飲食店を出店されているのですか?
最初は南青山にベルギー料理のレストランを出店しました。ムール貝のお店です。
他にはプレミアムテキーラのお店や燻製ジビエのレストランやチーズのレストラン、はちみつのカフェ、初心者用の日本酒ダイニングなどをプロデュースしています。
店舗を出店する時にコンセプトから看板になるメニューを決めるのですが、その際その話を他人に面白く話せるかを重要視しています。
その話にワクワクしてもらえたらその人は来てくれますし、来てくれて楽しい食事をしてもらえたらその人がまた誰かにその話をしてくれると思っています。
その連鎖こそがお店を創る醍醐味だと思っているので、ワクワク=人に話したら面白がられる構成≒まだ知られていない何か≒ニッチな業態になってしまうのです。
- 最後に若者というか、一歩踏み出せない人たちに何かメッセージを送るとするとなにかありますか?
私も若輩者なので、そんなだいそれた事を言えないのですが、いままで行動をし続けてきて得た一番大事なことは、“決めて、それに覚悟を持ってやること”だと思っています。
やると決めたらやらないとだめです。その評価を一番自覚しているのは自分なのですから。
同じくやらないって決めたら絶対にやっちゃだめです。たぶん人間の行動で一番してはならないのはブレることだからです。
自分自身と周りの方々すべてに対して筋を通して行動し続ければ、必ず結果論で良い形に纏まります。
ただし、それはあくまでも結果論ですので最中はとても大変だと思いますが。
“決める”と“覚悟を持つ”ことに関しては、多くを経験するしかないので、多くの責任をなるべく背負い込んだ方がよいと思っています。
人間は欲を叶えたいという事が全ての行動原理だと思いますが、その欲(自分にとっての幸せ)ってどうしたら叶うかなんて考えながらもまず行動して実感してみないとわからないはずです。
なぜならば幸せになりたいなら、まず自分にとっての幸せって何なのかを自身が知ることが一番大事だからです。
人に迷惑を掛けない限り、欲は追い求めた方がよいです。そのほうが正直で人間らしくて格好良いじゃないですか笑
まず、祖父です。小さいころから様々なことを教わってきたのですが、独立志向や現在の行動指針の最初の芽は祖父から受け継いだのかもしれません。
また、今では多くの諸先輩方にご指導いただいてはおりますが、その中でも友人のように接してくださっている方がいまして、その人からも強く影響を受けさせていただいています。
父親のような年齢の方なのですが、いつまでもアグレッシブでアクティブで周りをワクワクさせ続けている方で、私もこんな人間として年齢を重ね、小さい範囲だけでなく大きな範囲で未来をワクワクさせられる人になりたいと思っています。
―小林 肇-
20代半ばで独立。個性的なレストラン、バーを次々と出店。
その後、誰かと仲良くなれる場所を作りたいと、都内でサバイバルゲームが楽しめるASOBIBAを立ち上げた小林肇さん。
「みんなともだち」をテーマに今後も様々な新規事業に取り組んでいく。